道徳における言語活動
道徳は国語ではない、なんていう話もよく聞きますが、国語で習得した言語技術が道徳に活きる場面もたくさんあります。
ちなみに、学習指導要領道徳編の配慮事項には、以下のような記述があります。
(4)自分の考えを基に,書いたり討論したりするなどの表現する機会を充実し,自分とは異なる考えに接する中で,自分の考えを深め,自らの成長を実感できるよう工夫すること。
これは道徳における言語活動ですね。というわけで、国語科の指導法を活かして作成した道徳の資料を紹介します。
ベースにしているのは、「ダイヤモンドランキング」ですが、下位を考える手間を省くため、ひし形ではなく、山型にしてあります。
まずは個々に考えさせた後、4人班で討論をさせます。その際、観点をカードにして配るか、ミニホワイトボードを用意すると、視覚的に操作ができ、議論が活発化します。
実際に授業をやってみて、生徒が大いに食いついた教材です。
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なお、私の学級ではこの後に、「志望校をどう決めるか」という授業を行いました。
流れは、「大人になること」と同じで、
①考えるための観点を出し合う、加える、共有する。
②個人で、観点のランキングを行う。
③4人班で、観点のランキングを行う。
④全体で発表し合う。
⑤資料を読む。
⑥考えたことを作文する。
⑦作文を発表し合う。
というものです。ちなみに、志望校を考えるための観点は、次のように設定しました。
A 通学時間 …… 家から学校までどのくらい時間がかかるか。
B 立地環境 …… 最寄りの駅はどこか。都市部か、緑が多いか。
C 就職率・進学率 …… 就職や進学の指導が充実しているか。
D 校風・雰囲気 …… 生徒が活発、明るい、落ち着いている、真面目など。先生が優しい、厳しい、親身など。
E 学習指導 …… 学習指導が丁寧である、難関大学の受験対策があるなど。
F 難易度 …… 受験倍率が高いか、低いか。レベルが高いか、低いか。
G 専門性 …… 自分の学びたいことが学べるか。入りたい部活やサークルがあるか。
H 服装 …… 私服か制服か。制服がかっこいい(かわいい)か。
I 教育目標 …… どのような生徒を育てることを目標としているか。
J 学校生活 …… 行事(体育祭や文化祭など)が盛んか。
生徒が深く考えない(考えられない)のは、考えるためのツールがないからだと思われます。道徳でも、ツールを提示するかしないかで、生徒の思考の深さが大きく違ってきます。あとは、良い読み物資料をどう見つけるかですね。今回は、資料探しの時間がなく、「アイツの進路選択」というものを使いましたが、もっと良いものがあれば、ぜひ教えていただきたいです。