生成AIは創作できるか ~AIの成長~
1,2か月前にChatGPTに俳句を作らせたところ、音数がばらばらでとても俳句と呼べる代物ではありませんでした。ところが、あっという間に精度が上がって、生徒が宿題として提出できそうなレベルまで到達してきました。
以前のものを消してしまって比較できないのが残念ですが、現在はこんな感じです。
《ChatGPT》
人間 | セミをテーマに俳句を10句作ってください。 |
AI |
夏の鳴き声 セミの詠む歌 蝉時雨 木々ざわめく 葉陰に潜む 蝉の声 緑輝く セミの羽音や 夏の風 蜩(ひぐらし)の音 夏虫のさえずり 涼風に 枯葉舞う セミの朝啼き 秋の気配 田圃に セミの合唱 稲の黄 一夏の セミの旅立ち 秋涼し 夏の虫 セミの音色に 涼を感じ 遠くに響く セミの声 夏の夕 蝉の声 夏の終わりを 告げている |
人間 |
何を参考にしましたか。 |
AI |
私はトレーニングデータとして、様々な文書や文章、ウェブページなどの情報源から学習しています。セミに関する情報は、植物学や生物学、季節に関する文書、詩歌などのテキストから学習されています。また、日本の俳句や自然に関するテーマについての情報も含まれているため、それらの知識を活用してセミに関連する俳句を作成することができました。ただし、具体的な参考文献や情報源については私の内部の情報では明確に特定することはできません。 |
《Bingチャット》
人間 | セミをテーマに俳句を10句作ってください。 |
AI |
セミのテーマで俳句を作ってみました。どうぞご覧ください。
以上です。いかがでしたか?😊 |
人間 | 出典はありますか。 |
AI | 出典はありません。私が自分で考えて作った俳句です。😊 |
木々ざわめく 葉陰に潜む 蝉の声(ChatGPT)
→セミ自体は隠れて見えず、木々がざわめいているように感じる。
セミの羽 日差しにきらめく 宝石のよう(Bingチャット)
→日差しを受けたセミの羽がまるで宝石のようだ。
こうした感性がもともと誰のものであったのか。あるいは、AIが確率的に生成した、ありきたりで、慣用的なフレーズに対して、創作する主体を勝手にイメージしているだけなのか。
ともかく、「創造こそが人間の仕事だ」という認識は、「創造とは何か」も含めて、再考を突き付けられる段階に入ってきました。
利用規約としては、どの生成AIも、無条件で使えるのは18歳以上という年齢制限が設けられています。ただし、1人1台のギガ端末が配備されている今、そうした制約は、あってなきが如しです。まして、宿題にしてしまえば、どのようにその作品ができたのかは知る由がありません。
これは情報モラル教育だけで解決できる問題ではなく、文部科学省が出したガイドラインに「暫定的」という言葉が付されるのも、当然と言えば当然です。
国語教育に限って言えば、漠然と課題を出すのではなく、例えば、俳句を作ることでどのような力を伸ばしたいのか、そのためにどのような課題設定をするのかを、きちんと考えていく必要がありそうです。
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